多数の樹木の伐採計画に批判が強い明治神宮外苑地区(東京都)の再開発を巡り、都が従来より一歩踏み込んだ対応を見せた。12日、樹木保全の具体策を高木の伐採開始前に示すよう事業者に求めた。今月中にも始まる予定だった伐採が、計画より遅れる可能性がある。ただ、さらに強い措置は難しいようだ。
都は、再開発事業者の三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事に、樹木保全の具体的な見直し案を示すよう要請した。示されるはずのものが示されていない、という認識からだ。
再開発は、事業者4者による民間事業。明治以降に植えられた樹木が生い茂る外苑地区で、神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替え、高さ200メートル超の超高層ビル2棟も新築する。837本を植樹する一方、700本以上の高木を伐採する計画となっている。
施設設計の工夫などで樹木保全に努めるよう求める都に対し、事業者は昨年8月、「環境・樹木保全への配慮を確実に遂行する」とした。さらに、今年1月に公示された事業の環境影響評価(アセスメント)の評価書にも、新築するラグビー場について「設計、施工の両面からの工夫により、樹木伐採を可能な限り回避し、保存や移植を検討」と記載した。
「樹木保全の具体案を」東京都の要請の意味は
しかし、具体的な樹木の保全策が示されていないとして、事業者に求めたのが今回の要請だ。そして、「新ラグビー場敷地の既存樹木の伐採に着手する前までに」という時期も示した。
この理由について都幹部は「自分たちがアセスで『やる』と言っていたものが示されていない。そうした姿勢で伐採に踏み切るのはいかがなものかと問題視した」と話す。ラグビー場以外の施設の建設区域についても同様に求めた。
ラグビー場が予定される神宮第2球場の解体工事は3月に始まっており、現地の高さ3メートル以上の木の伐採許可は、地元の新宿区から出されている。事業者は「9月以降にも伐採を始める」としていた。
しかし、再開発を巡っては…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル